法人営業
民間企業のお客様へ建築物の営業活動を行いました。
- 主なお役様:
- 民間企業(製造業、物流業)
- 販売商材:
- テント倉庫、工場、荷捌き上屋
- 期間:
- 2011年6月~2016年3月(5年)
- 業務範囲:
- ヒアリング、関係法律の調査、配置と仕様の提案、価格交渉、工事工程作成、確認申請
大切にしていたこと
- 1.明確化
- 完工後のイメージを明確化し、法律や電気、消防設備など懸念事項の対応策を事前にクリアすることで、計画段階でお客様から信頼を勝ち取ること。
- 2.一人で決めない
- 自分一人では結論づけず、設計や工事、施工業者などに知恵を借り、より実現性や効果の高い提案に近づけること。
- 3.バランス
- 複数物件が同時並行で動く中で、いっぱいいっぱいになっている工事や施工業者がいれば、自分の対応できる範囲で工期を調整したり、工事担当が作る日程表の下書きを作ったりと、額面上の職務分担に関わらずフォローを行いバランスをとること。
PROCESS
制作工程
ヒアリング・現場確認
用途や保管物やその重量、完成後の運用方法などをヒアリングし、現場を測り見積を出す建物のサイズを決めます。
仕様選定
建設予定地の条例や建築基準法、消防法などから建設可能な仕様を固め、設計部門と柱ピッチなど構造を決め、工事部門とは施行方法などを決めます。
提案・見積
仕様決定で決めた条件をもとに原価計算をし、競合の有無や過去の実績を考慮しながら見積りと提案書を作成します。
価格交渉
競合との価格や先方の予算の条件など、をヒアリングし最終的な価格を交渉し、注文へつなげます。
指示書作成
完工までの工程を引き、スケジュールを立てた後、図面や施行の指示書を作成し関係者へ共有します
確認申請
お客様より対象敷地の確認申請書を借り、新しく建てる建物の申請手続きを設計事務所へ依頼します。
現場引き継ぎ
工事の現場担当者と現地で予定地の位置や搬入経路、上空配線などの懸念事項を共有し引き継ぎをします。
施行・完工
検査期間の完了検査終了後、お客様へ建物を引渡し、保証書を作成・配布します。
事例1 某物流会社(倉庫2棟、荷捌き上屋1棟 計約3000㎡)
- 課題
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- 関西の物流拠点として既存建屋を建て替えたい
- 既存建屋より保管スペースを増やしつつ、トラックの荷下ろし作業を効率化したい
- 引越ししたてで、電気や消防、排水設備や緑地など敷地のことが全くわからない
- 外部から見てインパクトのある見た目にしたい
- 検討方法
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- 過去の類似事例を調べ、担当していた営業に当時の対応方法をヒアリング
- 物件の完成イメージをイラスト化
- イラストを元に営業部内で、ミーティングを開き、該当する法令や施工に伴う懸念事項を洗い出し
- 提案
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- 完工イメージの配置図と建物の立面図を使い、運行方法をお客様へ提案
- 1棟の幅を最大化することで、柱のないスペースを出来るだけ広くする
- 建物高さをあげることで保管効率を向上
- その他付随する懸念事項(消防設備、電気設備、緑地面積など)の確認の必要性を指摘し、専門業社による調査を実施。
- 同一製品の見学会を実施し、施設を体感してもらう
- 効果
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- 保管効率の向上
- 白いテント屋根により庫内の視認性が高まり、バーコード検品の作業効率が向上
- 詳細
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物流拠点の移転に伴い既存建屋を建て替える目的で問合せをいただきました。
トラックが倉庫前に荷下ろしをし、敷地内をぐるっと一周して出ていくという導線に合わせ、 雨よけの上屋のサイズや、倉庫のサイズ設定、保管物の重量に耐えるための床部分の厚みなどをまとめ提案しました。
全体イメージを作り込んだことで、 既存の分電盤では電力が不足する点や、屋内消火栓が必要だということ、また予定地に高圧電線があり高さ設定に制限があることなど複数の懸念事項が見つかり、それらを一つ一つ解決していきました。
最終的にはお客様のグループ会社である建設会社が提案するシステム建築と競合しましたが、 事前に同一仕様の物件を見学し、完成イメージを明確化できていた点と積み上げてきた現場の理解度などから安心感を評価いただき注文をいただき、無事完工することができました。
事例2 某化学メーカー製造担当、基礎業者(元請) 倉庫1棟、工場1棟
- 課題
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- 既存建屋が基準法違反であると、市役所から指摘を受けたこと伴う建替
- 倉庫兼事務所であり、プレハブをテント倉庫のなかに入れるという例がない物件
- 敷地内に小型のテントが点在していることにより、合法化の説明が複雑
- 検討方法
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- 過去の類似事例を調べ、担当営業に相談
- 営業、設計事務所と該当する法令を洗い出し
- テント倉庫内で建設可能なプレハブ業社の調査
- 提案
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- テントからプレハブの外壁を露出させた仕様で合法的に建てる
- 事前に確認申請書を借り、適切な離隔距離と建設可能な建物面積を算出し提案
- 効果
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- 指定確認検査機関の認定を受け、合法的な建物として完工
- 詳細
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市役所から建築基準法違反と指摘を受け、その合法化伴う建替案件でした。
課題としては、
- テントの中にプレハブを建てるという2層構造を合法的に成立させること
- 小型のテントが点在する中で適法な離隔距離を算出した上で建屋のサイズを決めること
の2点でした。
1点目は、室内プレハブの1面を外部に露出させ、採光、排煙窓を適切に設けることで合法化が可能であることがわかり、プレハブ会社3社確認の上、可能と返事をいただいた1社と連携して行うことを決めました。
2点目は事前に建築確認申請書を借りて、申請している敷地内の建物を確認し、 1000㎡ごとに3m離隔距離をとる法律に則り、テントの配置計画を策定し提案しました。
そのほかにも居室用途に伴う採光、排煙面積の算定や防火シャッターの仕様選定など 建築基準法、消防法に則った提案と根拠の説明を積み重ねていくことで、競合他社の価格情報が入ってくるようになり、下を潜った価格で注文をいただき実施に至りました。